2016年7月9日土曜日

初夏

人間生まれた瞬間に与えられた才は一人一つで、

なんでもそつなくこなすこなすびっくり人間に近い存在は奇跡に程近く、

大概は才能と欠落は常に背中合わせであり、

何を選びとったところで、辛いのだ。生きている限り一生苦行。

ものに溢れ、簡単に早く手に入り、何でもできてしまう気になれる御時世だけれど、

才は選べないのだ、その才を全うするしか最初から道は無かった。

才を見失うまたは才を拒むということは、

個の損失、死に近い選択肢であり、

そのことに気づいた瞬間に、ああやらなければ私は終わるのだと過ぎり、とつぜんにこわくなった。

やりたいこととりあえず全部やってやろうって、やりまくったすえにようやくぶち当たってきた現実。

現実さまいらっしゃい

そんな私を次会った時に遅咲きだ、あわれだなってわらってね

人間って超たのしい

というもう夏だけれど、春琴抄を読んだ感想文

南⭐︎




2015年4月4日土曜日

オリーブ少女



「紙の本を読みなよ…電子書籍は味気ない」
というのが、アニメPSYCHO-PASSの悪役であるマキシマ氏の名言なのですが、
(紀伊国屋書店で"PSYCHO-PASSフェア「紙の本を読みなよ」"とか開催されていた)

私は新書や情報収集だけが目的の雑誌などは電子書籍で購入していますが、好きな作家や、エディトリアルが綺麗な雑誌の場合は紙で購入しています。
紙の方が高いし場所もとるのでこうして買い分けはするのですが、紙の触感や印刷の匂い(ほとんどしないけど気持ち的に)、手に持った時の重さ、装丁が好きだし、好きな作家さんの本が本棚にあるという空間自体好きなのだと思います。一歩間違えると本棚をうっとり見つめたり本に顔を埋めてスーハーやってるような変態になりかねませんが。

ちなみに、紙媒体は終わってるぜ、と思ったそこのあなた。ぜひ「世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅〜」 というドキュメンタリー映画を観てみてください。世の中には、こんなに忙しい出版社があるのです。






高校生のときに、装丁と素敵なタイトルに引き寄せられて手に取って以来、わたしの人生のバイブルだ!と勝手に思っている本があります。

森茉莉著:「贅沢貧乏」です。


ごく簡単に著者について説明すると、森鴎外が溺愛しまくった娘さんです。
元々翻訳などはされていたのですが、作家としてのデビューは50代に入ってから。贅沢貧乏は60歳の頃の作品です。詳しくはWikipediaなどチェックしてみてください。なかなか波瀾万丈な人生を歩んだ方です。

とにかく並外れた観察眼を持っていて、身の回りにある何気ない風景を表現する文体が凄まじく美しいです。「贅沢貧乏」はエッセイとして位置づけられているのですが、仕方なくエッセイに分類されているだけで、未だこの作風を正しく分類できるジャンルは存在しないのではないかと思っています。
また、批判精神にも満ちあふれていて、読んでいてかなりすっきりします。

日本人の持つ”いき”と、父である鴎外の欧米主義や数年間生活したフランスで培った西洋的な美的感覚、芸術を観る才能から生み出された機微に触れる表現。文章のどこか一文を読むだけでも美しいし、読んでいると文章が綺麗な映像として頭に入ってきます。


そんな彼女は貧乏臭さを嫌悪する一方で、偽物の贅沢も同じぐらい嫌っていて、そういう人々のことを「貧乏贅沢」と呼んでいます。

だいたい贅沢というのは高価なものをもっていることではなくて、贅沢な精神を持っていることである。容れものの着物や車より、中味の人間が贅沢でなくては駄目である。指環かなにかを落としたり盗られたりしても醜い慌てかたや口惜しがり方はしないのが本ものである。我慢していないのではなくて、心持がゆったりしているから呑気な感じなのである。(また直ぐ買えるから、ではない)” (「贅沢貧乏」”ほんものの贅沢”より抜粋)

この、「(また直ぐ買えるから、ではない)」と最後に釘を刺すあたり、ニクいですね…。
この章では、精神的に贅沢であるべきだと主張していますが、他にもモノの見方、美しさや芸術を見極めることの重要性について言及していたり、読んでいて勉強になることだらけです。

「贅沢貧乏」の他にも、食べ物を中心に綴った「貧乏サヴァラン」や、「私の美男子論」(!)など面白い作品が多数あります。
私は好きすぎて、「枯葉の寝床」とか「甘い蜜の部屋」(もうタイトルからして…)など小説の方にも手を出しています。内容については触れませんが、一つ言えるのは凄いです。とにかく、凄い。笑


そういうわけで、高校時代森茉莉さんにドハマりしていた私は、贅沢貧乏で「オリーブ」が漢字で書かれているのを見て感動し、机にガシガシといくつもオリーブオリーブ、オリーブ(全部漢字)と描いて「おい…ハシバさんの机何描いてあるんだよ…」とクラスの男子を気味悪がらせていたようです。

それで考えると私もオリーブ(雑誌の方)少女、なのかもしれない….


(ちがう)

2015年3月19日木曜日

清春/竜王駅

思いつきで山梨に行ってきました。

(ちなみに鈍行で片道3時間50分です)

目的は二つで、
一つ目は清春芸術村
二つ目は竜王駅
ま、どちらもANDO建築目当てなんですがね!
(結構、末期の忠雄タクなう)





清春芸術村/清春白樺美術館

白樺派同人による美術館構想を銀座、吉井画廊の吉井長三氏が私財を投じて1980年に開館。
旧清春小学校の跡地にある。
大正14年、同校の落成記念として児童たちにより植えられた30本のソメイヨシノは現在も残されており、天然記念物に指定されている。



















 美術館のほかにも、礼拝堂や貸し出しのアトリエ、図書館などがあります。
吉井長三さんって、日本画を初めて西洋に送り出した画廊なんですね






芸術村にある北杜市は10年くらい前に父が住んでいたので何度か行ったことがあったので、馴染みがある場所。景色も空気も最高なところ。




バスに揺られて山間を登ってくだって〜




また電車にのって竜王駅へ。











丹下さんの山梨文化会館にも行きたかったのだけれど、日が沈んでしまったので断念。。
清春の桜が咲いたらリベンジするです。


(行きの乗り換えで辛うじて取れた丹下さん)






2015年3月12日木曜日

’アートの島’と呼ばれる島に行ってきました

”直島”
直島製錬所の煙害により、禿げ山(高度成長期の負の遺産)となった島の南側半分をベネッセコーポレーションの福武氏が買い取り、1980年代後半から美術館・ホテル・キャンプ場の複合体「直島文化村」で行ってきたアート活動。
その後建築家の安藤忠雄氏もこの活動に加わり、直島島内の海岸や古民家や路地なども舞台となるようになり、もはや美術館内部に納まらない規模になってきたため、2004年「直島文化村」ほか島内のアート活動の総称を「ベネッセアートサイト直島」に改称した。






















安藤先生が、『建物(美術館)が緑に隠れたら完成だ。』と仰っていたように、
フェリーに乗って島におりると、目立ったものは何もないそこにはふつうの島での暮らしがありました。




二日目の朝一で、自転車を借りて山を登ってリーウーファンの個人美術館へ行ったときの写真が一番のお気に入りで。
左端で青色のブルゾンを着たおじいちゃんが木の手入れをしてる。
みんなで植えて育てた大事な木だもんね。
私もこの場所で1時間くらいぽーっとしてた。



アートと島の人たちが手を取り合ってつくりあげている、それでいてとてもシンプルな、すてきな島でした。

2015年2月26日木曜日

食堂に行けず不完全燃焼(今年初めての投稿)

どうもお久しぶりです。隠れキャラのハシバです。

突然なんですが、今日の大発見したこと。

捉え方は人それぞれですが、"戦後70年"について、自分的には 「まだそれぐらいしか経ってないんだ・・・」と結構驚愕します。
確かに人の一生レベルで考えたら生まれて老人になるまでなので長いのかもしれないけど、歴史全体として捉えたらまだ70年なのか、と思うんです。
(戦争をしないという意味での)平和な日本の歴史ってまだ70年程度なのかと。笑

じゃあどれぐらいだったら長いと感じるかと言うと・・・。
私の出身地である有田町は有田焼という焼き物で有名なのですが、有田焼が始まって来年で400年です。さすがにそれぐらいだと長いなと思います。

それで、そんなことを昼間ぽやぽや考えてて、ふと「あれっ、じゃあ黒船来航から太平洋戦争開戦まではどれぐらいの長さなんだろう」と思って計算したら、なんと88年!!!

88年の間に鎖国してた侍の国がいつのまにか外国と交流するようになって廃刀令が出て着物から洋服に代わり、日清・日露戦争、そして太平洋戦争って・・・・。
なんか、すごいなって思いました。

そういうわけで最初に戻ると、戦後70年って相当目紛しい変化があったけど、今の太平楽な時代っていつまで続くの?もしかして歴史的にすごい大展開が起きるのか?と色んな疑問が沸き上がり、知識欲が刺激されます。笑




ところで、来月アラン・ベルガラの来日講演に行くのですが、次の3作品を観てくるようにとのメッセージが添えられていました。

・恋人のいる時間
・ゴダール・ソシアリスム
・女と男のいる舗道

「恋人のいる時間」と「ゴダール・ソシアリスム」って、TSUTAYAで取扱いがないんですよ...
せっかく講演聴きにいくんだし、観てから挑みたい、でもわざわざそのためだけにDVDを買う余裕はない...

と、そこで

国立国会図書館に行ってきました!笑

音楽と映像は新館の方にあります。
(ちなみにここ、絶版になった貴重な書籍は勿論のこと漫画本もあるそうです!!)

ただ、音楽と映像は視聴するのに条件があって、何らかの調査もしくは研究理由を貸出票に描かなければいけません。

「映画史ヌーヴェルバーグにおける調査」

と描きました。嘘ではない。笑

視聴できるブースは決まっていて、準備が整うと指定された席に座って、再生ボタンを押すだけです。
ただ、資料取り寄せが16時まで、視聴は17時までです。
95分の「恋人のいる時間」を観始めたのが15:30。

・・・・。

(東京喰種の月山さん口調)
最後の5分がッッッッ
観れッなかっタッッッッ!!!!
トレビアンッッッ


不完全燃焼です。こんなことなら見つめ合ってるシーンとか早送りすれば良かった。

その後、名物の食堂へ行こうとしたのですが、その後の予定が圧していたので喫茶室の方へ行きました。



色々と不完全燃焼です!!!!
ゴダール・ソシアリスムも観なきゃいけないので、恐らく土曜日にリベンジしてきます。
もし永田町で見かけたら、それは国会図書館へ向かってるところです。


今日はこのへんで。
さよなら、さよなら、さよなら


ヨドチョーか!



2015年2月20日金曜日

気づけば、2015年だよ


こんにちは、デニーズにいる吉田です

うっすら気づいてたけど以前書いた記事から約一年過ぎてますね


うん。知ってたよね〜

みなさん調子はどうでしょう2015年

わたしはというと毎年恒例この時期は心が休まらない日々を送ってます

仕事の面でですけどね

今日は最近思うことをただつらつら書きますね

時間を持て余している方、または私の隠れファンの方お付き合いください。



いや〜私ごとではありますが

四半世紀生きる事ができました 祝

まだまだ青さ全開ではありますが、最近考え方とか感じ方が

大きく変わっている気がするんです

今までもいろんなことを経験して調整してきたはずなんですが

今回ばかりはなんというか180度まではいかないものの
かなり端から端に振れているんですよ

揺れるというより振れている

今までNOだったものがじわじわYESなんではないかと思うことが多い
その逆も


君は〜だよねと言われることが割と嫌じゃなかったのに
なんか最近そういうの言われると堅苦しいんですよ

だからあまり人のコトも〜だよねといいたくないんですよね


うん、わかったわかった

それもう知ってるしお腹いっぱい


となる


なのでいい意味で無関心でいるぐらいのほうが

今の私は健やかなのかなと思っている(2015年2月現在)


もちろんただ無関心じゃだめだよ?

大切な人たちはもう十分なほどいいところを知っているので

それぞれの魅力的なとこに甘えるんです。

あ、これ絶対あの人の分野

とか

そういうセンサーを常にたてるの

対峙するんじゃなくてそれぞれ得意なとこはトロンと甘える

甘えたあとはじっくりまた一人で考えこむ

しっかり噛み砕いて考える、甘えるだけで終わらない


これが最新の自分にあっているのではないかと



あと、わたしとまわりの人という点で不思議なこと

とにかくわたしは熱中というとこから遠い気がする
これがないと無理!!!というのがなくて

なきゃないなりに楽しむ タイプ

しか〜し

わたしの周りは熱中のなかの熱中
もう熱いれすぎて溶けてるんじゃないかと思うほど

なにかに打ち込んでる人がほとんど。

そんな人たちになんの知識も興味もない私がよく誘われるんです

なぜなんだ。。。。

よく聞く話だと最初は興味がなかったけど
友人の影響ではまったとか


まったくない。。。

ただ、好きな人たちが好きなものは
かなり密かに応援しているし

気づいたら当の本人飽きてるのに
ずーっと密かに応援している






なんか全然わからないんだけど
たのしそうに気が狂ったように話す友人たちは

なんだかおもしろくて愛しいんですよね。

とっても幸せそうです笑

そのわからない中から面白そうだなと思ったら
マイペースに調べてます


ただじーっとしているだけなんだけど、私はわたしなりにたのしんでますから

なにか面白い事あったら教えてね、みんな





無関心といいながら、だいぶ周りの人が好きなようだ。。。

恥ずかしいな笑


最近なんでも完璧な写真や記事しか気づいたら目にしなくて疲れるので

たまには、私を支えるくだらない日常を綴ってもいいのかなと


どこかでまたツラツラだらだら書いてるかもね




ちなみに横に座るマダムたちのホットワードは

ヒアルロン酸と松田聖子

加えてコドモのお受験だそうです。

そろそろ帰って洗濯して、仕事しないといけませんね


ではまた会いましょうね、ちゅん








2014年6月10日火曜日

気付けば、もう梅雨かよ



ご無沙汰しておりました
みなみです


二年間いつアップするかと暖めていた写真達
ようやく公開する気になりました


一応、正式に採用された吉田ver.をその前にもう一度

↑check it!!

そしてサポートをおねがいした(はず)
siteabouttokyo羽柴たんの写真

では

『12、南〜羽柴from SAT ver.〜』














でん


。。。
突っ込みたい部分は沢山ありますが、
私が注目したのは、狂ったように走り出す犬です。


新手のグラビア撮影。今にもポテチ食いそうな私。
(gw初日のみなとみらいにて)



老人。





謎の昭和感(近)



顔出しさえもNG...


哀 愁
か、
90年代のギャル
か。



彼女のファッションエディターとしての将来を疑った写真たち



そんな羽柴たんの鶴の一声返しを受けて、
先月、立川の音楽祭に出場してきました。
(恥ずかしくて一部の人にしか言えなかったのです)








セッ〇〇フェスティバルなんてバンド名付けたら
私達だけ写真も記録も挙げられないというミラクル。


懲りずに来年も参加するつもりで来月からスタジオに入ろうと思います。
(出禁でないことを祈りましょう)


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当日、あまりの自信のなさに、
羽柴たんと私だけこっそりとスタジオの前にスタジオに入り、
ライブを乗り切り、
追い打ちをかけるようにカラオケに行ったら、
次の日から五月の半分を朦朧と過ごすという失態。



そんな中、相方吉田は無事に免許を取得したようなので、
(ぱちぱち)

撮りためていた、写真近々発表できるかと思います(照)